人生100年時代と住宅の寿命のギャップ:住まいは人より早く老いている
2025.08.19
住宅に必要なメンテナンス
はじめに
日本人の平均寿命は、この30年で 10〜15年も延びています。
医療の進歩、健康意識の向上により「人生100年時代」が現実となりつつあります。
一方で、住宅の寿命はどうでしょうか?
日本の住宅寿命:平均30年程度
欧米の住宅寿命:60年以上
つまり、人間の寿命は伸びているのに、住宅の寿命は相変わらず短いままなのです。
なぜこのギャップが問題なのか?
長く生きるのに住まいがもたない
→ 老後に建て替えや大規模修繕が必要になり、負担が増える。
気候変動や自然災害が増加
→ 温暖化による豪雨・猛暑、地震・台風で建物の劣化が加速。
高齢期と住まいのリスクが直結
→ 高齢者が住み慣れた家で事故や災害に巻き込まれる可能性が高まる。
👉 つまり、「長生きする人間に対して、住宅は追いついていない」という構造的な問題がある。
今の住宅設計の限界
30年前の設計思想:「30年住めば建て替え」
現代のライフスタイル:「70〜80歳でも現役」「100歳まで住み続ける」
しかし住宅は、長寿社会を前提に作られていない。
解決策:住宅も“長寿命化設計”へ
1. 耐久性を高める
耐震補強・耐風補強
雨漏りを防ぐ屋根・外壁メンテ
2. 温暖化に対応する
高断熱・遮熱リフォーム
換気・空調設備の更新
3. 健康に配慮する
バリアフリー化(手すり・段差解消)
断熱強化でヒートショック防止
室内の空気環境改善(換気・防カビ)
4. 長期修繕計画を前提に
10年単位での点検
国の補助金を活用した計画的メンテ
まとめ
人の寿命は10〜15年延びたが、住宅の設計思想は追いついていない
温暖化や天災で住宅はむしろ寿命が短縮されるリスクもある
これからは「人が長生きするのにふさわしい住まいづくり」が必要
💡 人生100年時代においては、“人の健康寿命 × 住宅の長寿命化”の両立が最大のテーマです。