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黒カビの怖さ:命を脅かす隠れたリスク

2026.07.19 住宅に必要なメンテナンス

はじめに


前回のコラムで「湿気が健康と住宅に深刻な影響を及ぼす」とお伝えしました。
その湿気から必ず発生するのが カビ。

なかでも 黒カビ(クラドスポリウム属など) は特に危険で、
「壁が汚れて見える」レベルではなく、人間の命を奪うリスクすらあります。

黒カビがもたらす健康被害


1. アレルギー・呼吸器疾患


吸い込むことで 喘息・鼻炎・アトピー が悪化。
子どもや高齢者では 小児喘息・慢性咳 の原因になる。

2. 持病の重症化


糖尿病患者 → 免疫低下で肺真菌症を発症しやすい
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者 → 黒カビの胞子で呼吸困難が悪化
がん患者・抗がん剤治療中の方 → 感染リスクが増し、肺炎や敗血症につながる

3. 死に至るケースも


黒カビが体内で繁殖すると「真菌症(カビ感染症)」を起こし、
重症例では 呼吸不全や全身感染=死の危険も報告されています。


実際の事例


【例1】アメリカの事例:黒カビに長期間さらされた一家が、子ども2人に重度の喘息を発症。治療費は数百万ドルに。
【例2】日本の高齢者:長年換気不足の住宅に住んでおり、黒カビ由来の肺真菌症を発症 → 入院治療。
【例3】免疫抑制剤を服用中の患者:浴室の黒カビから感染し、肺炎を発症。医師から「住環境改善が最優先」と指導。

住宅への影響


・黒カビは木材・クロスに深く根を張り、除去が困難
・表面を拭いても再発しやすい
・放置すると建材の交換が必要になり、修繕費が数十万円規模に

黒カビ対策の基本


1. 発生させない


湿度60%以上にしない(除湿機・エアコン活用)
結露対策(内窓・断熱リフォーム)

2. 早期除去


市販のカビ取り剤で表面処理
根が残っている場合は 専門業者に依頼

3. 環境改善


換気扇・24時間換気のメンテナンス
床下・天井裏の調湿材設置

まとめ


黒カビは「見た目の汚れ」ではなく、命を奪う病原体になり得る
特に 糖尿病・呼吸器疾患・がん治療中の方は要注意
健康被害+住宅被害の両方を引き起こし、最悪の場合「住めなくなる」ことも
予防・早期対策・専門対応が唯一の解決策
💡 「カビを放置する=命のリスク」と肝に銘じましょう。