給湯器のメンテナンスは住宅と暮らしの命綱
2025.08.03
住宅に必要なメンテナンス
はじめに
毎日の生活に欠かせない「お湯」。
そのお湯を支えるのが 給湯器 です。
しかし給湯器は「壊れてから気づく」ことが多く、故障すれば 入浴・料理・洗面すべてストップ。冬場なら命に関わるケースもあります。
さらに、給湯器の劣化を放置すると 水漏れ・ガス漏れ・一酸化炭素中毒といった重大リスクにつながります。
今回は、給湯器メンテナンスの重要性とチェック方法、交換時期の目安について解説します。
給湯器が劣化すると起こる問題
1. 急な故障で生活停止
真冬の朝にお湯が出なくなる → 入浴できない・洗顔もできない・食器も洗えない。
高齢者や小さな子どもがいる家庭では「入浴できない」ことが健康リスクに直結。
冬の急なシャワー中断はヒートショックの引き金にも。
👉 「壊れたら生活インフラが止まる」という認識が必要。
2. 水漏れ・配管トラブル
劣化すると内部のゴムパッキンや熱交換器が破損し、じわじわ水漏れ。
床下や壁内に漏れが続けば、木材腐食・カビ・シロアリ被害にまで波及。
見えない部分で長期的に進むため、発見が遅れると修繕費が数十万~数百万円規模に。
👉 「給湯器の故障=お湯が出ない」だけでなく「家の劣化」にも直結。
3. ガス漏れ・一酸化炭素中毒の危険
バーナーや排気部分の劣化で不完全燃焼が起こると、**一酸化炭素(CO)**が発生。
COは無色無臭 → 気づかず吸い込み、頭痛・吐き気 → 重度なら死に至る。
排気筒の外れや詰まり(鳥の巣・落ち葉)もCO中毒の原因に。
古い給湯器は安全装置が甘い場合が多く、10年以上使った屋内設置型は特に要注意。
👉 命に関わる事故の多くは「古い給湯器の放置」が原因。
4. 光熱費の無駄・環境負荷
劣化した熱交換器は効率が落ち、同じお湯を沸かすのに余計なガスや電気を消費。
燃焼不良で二酸化炭素や窒素酸化物の排出も増え、環境にも悪影響。
特に15年以上使った旧式は、省エネ性能が現行機種の半分以下ということもある。
交換するだけで光熱費が年間1〜2万円下がるケースも。
5. 突発的な高額修理
基盤や熱交換器が壊れると部品代+技術料で5〜8万円。
10年以上経つと部品在庫がない → 結局「修理不可→即交換」。
「壊れてから交換」は真冬に工事が殺到するため、数日お湯が使えず生活大打撃。
6. 二次被害が大きくなる
給湯器だけでなく、浴槽・追い焚き配管・床暖房パネルなど周辺機器に負担が波及。
水漏れや結露から外壁・基礎に被害が広がり、住宅全体の寿命を縮めるケースも。
事故後は火災保険の対象外になる場合も多く、自己負担で修繕せざるを得ない。
劣化した給湯器を放置すると…
「お湯が出ない不便さ」だけじゃなく、
健康被害(入浴できない/CO中毒)
住宅被害(漏水・カビ・シロアリ)
金銭被害(光熱費増・高額修理)
この3つが一気に押し寄せる。
だからこそ「10年を過ぎたら“壊れる前に交換を検討”」が最善策。
自分でできる簡単チェック
設置から何年経ったか確認
→ 一般的な寿命は 10〜15年
異音の有無
→ ゴーッ、カタカタ音などは劣化サイン
お湯の出方
→ 温度が安定しない/シャワーが途中で冷たくなる
本体まわりの確認
→ 水漏れ・錆び・焦げ跡がないか
給排気口
→ 詰まり・異臭がないか
👉 1つでも異常があれば早めに点検依頼。
メンテナンス・交換の目安
設置後10年 → 点検必須
10〜15年 → 故障リスクが一気に増大(部品在庫も減る)
15年以上 → 基本は交換推奨
※最近は「エコジョーズ」「エコキュート」など省エネ型が主流で、交換で光熱費が月数千円下がるケースも。
業者に任せるべき点検・修繕
バーナー部分の点検・清掃(素人不可)
配管内部の圧力チェック
ガス漏れ・一酸化炭素濃度測定
給湯器交換工事(ガス・水・電気工事が伴う)
👉 自分でできるのは“外観チェック”まで。内部は資格者に必ず依頼。
まとめ
給湯器の寿命は 10〜15年。放置すれば生活停止・事故リスクに直結
水漏れ・異音・お湯の不安定は交換のサイン
自分でできるのは「年数確認・見た目チェック」まで
本格点検・交換は資格を持つ業者へ依頼が必須
💡 「壊れてから」では遅い。早めの点検・交換が住宅と家族を守る最善策です。